診療情報管理士とは、大学病院や総合病院などで診療の記録を整理・管理する仕事である。カルテの内容を念入りにチェックして記入漏れやミスがないかを確認し、データを記録して適切に管理することで、患者の個人情報など重要な情報はしっかりと守りつつ、病気に関するデータを医療の発展や病院の経営のために役立てられるのだ。

仕事は主にパソコンで行い、カルテや検査記録の内容をデータベースへ登録したり、病歴の記録やそれらを統計したデータから点検報告書を作成するなど、パソコンでの作業が主となる。そのためITスキルが必要な仕事であり、IT化が今後も進んでいくだろう医療業界で需要の高まりが期待される職業だといえる。事務職の一種だが医療事務と異なる大きな点として挙げられるのは、患者と接する機会がない点だ。受付や経理などを行い患者とコミュニケーションを取る機会の多い医療事務と違い、診療情報管理士は医師やスタッフとやり取りをしながらの裏方の業務がメインとなるためである。

診療情報管理士になるためには、一般社団法人日本病院会指定の学校(大学・専門学校)で勉強して必要な単位を取得し、最終的に診療情報管理士認定試験に合格しなければならない。指定校以外で勉強した人が診療情報管理士になるには通信教育を利用する方法があるが、この場合とても日数がかかってしまうので注意が必要である。その他にも、医療情報技師能力検定試験やWordやExcelのマイクロソフトオフィススペシャリストなどの資格を取得しておくと、就職に有利となるだろう。