診療情報管理士とは、大学病院や総合病院で働く事務職の一つである。主な仕事内容は、カルテや検査記録を詳しくチェックして記入漏れやミスがないかを確認した上で、データベースに登録して情報を整理・管理するというものだ。また、患者の病歴を記録したサマリーの作成や統計データから点検報告書を作成したり、がんに罹患した患者の氏名や医療機関名、発見経緯や治療内容などをがん登録するのも、大切な仕事の1つである。

診療情報管理士の給与の平均年収は、勤続年数や手当の有無などによっても大きく変わってくるが、大体320万円から380万円程度である。大体初任給は16万円から23万円のところが多く、基本給以外に通勤手当や資格手当などがつく場合があるが、勤務先によって異なるので就職前に確認することがポイントだ。雇用形態は正社員以外にパートや非常勤としての採用も少なくなく、時給の場合は1000円から1500円が相場であり、正社員でもパートでもどちらかというと高い方ではない。

しかし、事務職員と同じように休日に休むことができ福利厚生も受けられるため、安定して長く働きやすい職業なのは大きなメリットだろう。デスクワークで夜勤がなく残業もほとんどないため、身体への負担も少なく規則正しく働くことができるのも家庭と仕事を両立したい人にとっては嬉しいポイントである。また、医療業界もIT化が進み、カルテが電子化されたり医療費の計算に診療録管理体制加算と呼ばれる制度が導入されたりするなど、さまざまな場面でデータが必要とされるようになってきている。そのため今後診療場管理士の需要はますます増え、将来性も期待できるだろう。